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日記

  

    

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たまに医療通訳者としてお仕事をしています。
(まだまだ、駆け出しです。)

医療通訳が専門ではないのですが、
働いている会社の事情で、たまに通訳を頼まれて
医療通訳をさせてもらっているのです。

病院で活躍する医療通訳は、
まだまだ日本では成熟していないらしく
ボランティアベースで通訳がおこなわれているケースが
多いようですね。

「病院に付き添ってアテンドするだけの通訳なんて
難しくなさそう」と思われるかもしれませんが
実際に行ってみると、難しいです。

一瞬たりとも気を抜けませんし
事前の猛勉強も欠かせません。
なにしろ、患者さまにとっては、一大事のことなのですから。

とにかく心を込めて
毎回お仕事をさせてもらっています。


突然「今日は医療通訳として行ってきてくれ~」
と言われて
今日いきなりか~!と思いながら
行くこともあるのですが

今日の通訳はきつかったです。


先生が高齢のおじいちゃんで
言葉が少なめ、発音もクリヤーじゃない、
懇切丁寧に説明してくれず
(どちらかというと、ぶっきらぼうなタイプ)
日本語なのに
いまいち、発言の要点がつかめない・・(泣)

一方の患者さんは、
どうやら診察だけでなく、最終的には
医師の診断書がもらいたかったらしいのだけど
こちらも、何をどうしてほしいのか、最初なかなか
はっきり言ってくれなかったので、
そんな双方の言葉をそのまま訳しているだけでは
・・まったく、らちが明かなかった。

困った、困った・・これは本当に困った!

ピンチ!

というかんじだったので、途中で思い切って
交通整理の役をせざるをえなかった。

医師に向かって

「・・つまり、それは、○○ということになるのでしょうか、
そういう場合△△は××ということになるのでしょうか」などと尋ね

患者に向かって
「○○はどうなのですか?◇◇について確認したほうが良いですか?」

などというふうに、途中でかなり割って入った気がする。


もちろん通訳者が勝手に喋りだすわけにはいかないので、

発言する時には、両言語で双方に事情を説明する。

(「今から通訳者が~についての確認を取ります。いいですか?」など)

時間はかかるけど、互いに確認しながらやったら
最終的にはなんとか、お互いの意見が通じたみたいで
患者さんも満足してたみたいだった。

あれでよかったのかしら。


医療通訳で「一番理想かな」と思うのは
通訳者は主にメモ用紙をじっと見て
できるだけ患者と医師から視線をそらすようにする。

そうすることによって、医師と患者が
互いに目を合わせて話すように誘導できるから
通訳者はメモを見ながら淡々と通訳できる。

そうすると
通訳者の原則であるところの
「何も足さない、何も引かない、何も変えない」というスタンスで
そのまま通訳できるのだけど。


難しいです。

悩みます、

ほんとに。

今日はかなり、通訳者としてだけでなく、
内容に「介入」していったわけで。

通訳の形って、「これ」という一つの決まった形が
あるわけではないのでしょうか。

ブログの読者のみなさま、ぜひアドバイス下さい。



ちなみに
見た目が怖そうだったおじいちゃん先生ですが

「ええい~、ここは女性らしさを存分に活用しよう!(笑)」

と勇気を出して、優しくニコニコと笑顔を絶やさず
丁寧に質問していったら
ちゃんと先生も詳しい説明を返してくれました。

アテンド通訳では雰囲気作りも重要・・ってことで
なんだか、「英語より笑顔」を武器にしてると
言えなくもありませんが・・。


これでいいのかしら。


ベテランの百戦錬磨の通訳者の方だったら
もっとうまく出来てたのかもしれないな・・
と思いました。


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無題
  私はコメントする立場ではないけれど、両者が満足していた、ってことは「これでいい」のだと思いますよ。私も通訳を諦めそうになると、dreamさんの所へ遊びに来て元気もらってます。どんどん成長していくdreamさん、応援してま~す。
mika 2008/06/03(Tuesday)10:06:27 Edit
多夢日記
  時々訪問して、自分の基礎通訳の勉強に役立てています。

特に、勉強したくない時。

○多夢日記をご覧ください。
地方に住んで、お母さんを介護しながフリーランスの会議通訳者です。
頭が下がります。

通訳者は交通整理が必要と言っています。

それでは、

高下駄
健 高下駄 2008/06/03(Tuesday)18:53:04 Edit
mikaさんへ
  コメントありがとうございます。
コメントください~!って書いたから、ササっとコメントくださるのがうれしいです☆
まだまだ、成長できてないです~自分の至らなさばかりが目に付いて・・
また遊びに来てくださいねーー◎

dream
dream 2008/06/03(Tuesday)23:41:07 Edit
高下駄さまへ
  ご訪問とコメントまで頂きまして、ありがとうございます。

ご紹介頂いた「多夢日記」を読ませて頂きました。
私と同じ日のブログに「交通整理」という言葉を書かれていたので、すごく驚きました。
本当に素晴らしい方ですね。頭が下がります。
今後も読ませて頂こうと思います。

素晴らしいブログを教えてくださって、うれしかったです。
ありがとうございました!
dream 2008/06/03(Tuesday)23:45:33 Edit
無題
  日本で社内通訳をしていたときの拙い自分の経験から、ちょうど一年ほど前ですが「通訳者のnormとは?」という問題に関心を持ち、様々な海外の文献を読んだ時期がありました。そこで初めて、移民の多い国では、医療を含めたコミュニティ通訳と言われる分野の研究が進んでいることを知りました。そういった国々で働くコミュニティ通訳者のために策定された行動指針を読むと、プロの通訳者が、中立性と正確性を保ちつつ、code of ethicsを守りつつ、なおかつ当事者間(医者と患者、行政側と移民など)の対話の目的を達成しなければならない、というジレンマに苦しむ様子が痛いほど伝わってきました。一歩間違うと指針から外れた行動になってしまう、しかしそれでも責められない状況も充分ある。こうだという答えがないまま、通訳者一人一人が、日々悩みながらも自分の良心と信念にしたがった一瞬一瞬の決断をしていっているという現状の一端を知りました。私にとっては、励まされることでもあり、気の引き締まることでもありました。
Sun&Snow 2008/06/04(Wednesday)04:29:31 Edit
Sun&Snowさんへ
  Sun&Snowさんへ


私も行動指針をたくさん読んでみたいと思いました。

特に日本では、まだこれといった答えも定められておらず
まさに、その場その場で通訳者の良心と信念に従って
決断されているように思いました。

コミュニティ通訳の分野の研究について私ももう少し
調べてみようと思います。


非常に貴重な意見を本当にありがとうございます。


dream




dream 2008/06/04(Wednesday)07:18:30 Edit
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